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高瀬川に集う人々の悲喜交々至る。
 
 ドラマでも知られる「御宿かわせみ」の平岩弓枝、「髪結い伊三次」シリーズの宇江左真理、「しゃばけ」シリーズの畠中恵、新しいところでは「みおつくし調理帖」で注目される高田郁……と、女性の時代小説家が活躍する中、彼女らの一歩も二歩も先を歩き続けているのは、京都在住の澤田ふじ子ではないだろうか。
 とくにこのシリーズは、活気あふれる高瀬川はもちろん、見知った通りや場所も登場し、江戸時代の京の様子を垣間見るような気持ちで楽しめるのも一興で、四季の移ろいを背景にした描写も情感豊かで美しい。
高瀬川女船歌
「高瀬川女船歌」
著者 澤田ふじ子
発行 中公文庫
ISBN 978-4-12-205362-5
※既刊5巻(2013年6月現在)
 もともと、京都は時代小説の舞台にもってこいの街。百人一首からはじまり源氏物語に陰陽師、新選組、さらには今年の大河ドラマに至るまで−−永らく政治の中心地であったことを考えれば当然のこと。だが、それらの歴史的な物語とは一線を画しているのが澤田作品の魅力。京に暮らす市井の人々の臨場感を描く手腕たるや、見事というほかない。哀歓も禍福も全部まとめて、濃やかに、丁寧に、京都人ならではの情愛と機微とを紡ぎ出していく。これぞ人情時代小説の代表格と言えるだろう。
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